2011年04月24日
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海と大地を貫くものの正体とはいったい何か

Written By: 川俣 晶連絡先

「暗渠の道を発見すると思わず歌ってしまうのだ」

「なんて?」

  • 暗渠ロードが現れた。きらめく光おれを打つ

「それで?」

「しかし、その先をいい加減に歌っているときに気付いたのだ」

「なにを?」

「海と大地を貫くものは何だろうか」

「海と陸地の中間にあるのは海岸線。あるいは、バイストンウェル?」

「違う違う」

「え?」

「絶対に海ではなく陸地に存在して、ほぼ確実に海とつながっているものがあったのだよ」

「それはなに?」

「川だ」

「へ?」

「河川水路は、直接間接に海につながっているケースが多い。しかし海には存在しない。海流はあっても川はない。水の中に川はできない。存在するのは陸地だけだ」

「途中で名前が変わるとか、湖に流れ込む川もあるじゃん」

「それでも最終的に海につながるケースが多い。たとえ湖に流れ込んでも、そこから海に至る流れがあるかもしれない」

「なるほど」

「つまりだな。河川水路は、それそのものが一種のファンタジー世界の一種であったわけだ。異世界に行く必要など無い。そこに異世界そのものがあるわけだ」

「異世界か」

「そうだ。日常生活とは馴染まず、地域を分断し、大雨が降れば洪水という侵攻軍が押し寄せてくる」

「暗渠というのは、そういう河川水路の慣れの果てという意味で、よく馴染んだわけだね」

余談 §

「玉川上水は四谷大木戸までだが江戸の水道網を通して海に至る」

「うん」

「神田川も江戸川に流れ込むが、そのまま東京湾に流れ込む」

「そうだね」

「結局、みんな母なる海につながっているわけだ」

「そうか」

「人間だって、身体の中に小さな海を抱えているようなものだしね」

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